からだに障害を負ってしまったとき、どういった公的保障があるかご存知でしょうか。
保険で死亡保障には加入しているにも関わらず、なぜか「自分が障害を負う」というリスクについては、無関心という人も多いようです。
就労不能保障を取り扱っている保険会社も増えてきたので、障害者保障について関心がある人も増えているようです。
国民年金と厚生年金の障害年金
まず、代表的な障害者の公的保障として、障害年金があります。
ですから「障害状態になったら年金がもらえるから心配ない」と考える人もいるでしょう。
しかし、加入している年金の種類によって、もらえる年金額や対象となる障害が異なります。
国民年金に加入しているか、厚生年金に加入しているかによって、障害者保障に違いがあることを抑えておきましょう。
<国民年金加入者>
・障害基礎年金2級
障害の程度が1級もしくは2級に該当した場合、障害基礎年金が支払われます。
該当要件が2級以上となるため、障害の範囲はわりと狭いと言えます。
<厚生年金加入者>
・障害基礎年金+障害厚生年金1級
・障害基礎年金+障害厚生年金2級
・障害厚生年金3級
障害の程度が1級もしくは2級に該当した場合、障害基礎年金に加えて障害厚生年金が支払われます。
つまり、厚生年金の加入者は国民年金の加入者よりも、もらえる年金額が多くなります。
さらに、2級以上に該当しなくても、障害厚生年金3級があるため、障害年金がもらえる障害の範囲も増えます。
つまり、厚生年金より該当範囲が狭い国民年金加入者は、身体障害状態による就労不能保障があった方が安心です。
身体障害状態の○級って、どのように違うか具体的に見てみましょう。
例えば視力の身体障害状態は、程度に応じてこういった違いがあります。
等級 | 障害の状態 |
---|---|
障害基礎年金 障害厚生年金 1級 | 両眼の視力の和が0.04以下のもの |
障害基礎年金 障害厚生年金 2級 | 両眼の視力の和が0.05以上0.08以下のもの |
障害厚生年金 3級 | 両眼の視力の和が0.1以下のもの |
障害者手帳 1級 | 両眼の視力の和が0.01以下のもの |
障害者手帳 2級 | 両眼の視力の和が0.02以上0.04以下のもの |
障害者手帳 3級 | 両眼の視力の和が0.05以上0.08以下のもの |
障害者手帳 4級 | 両眼の視力の和が0.09以上0.12以下のもの |
障害者手帳 5級 | 両眼の視力の和が0.13以上0.2以下のもの |
障害者手帳 6級 | 一眼の視力の和が0.2以下で他眼の視力が0.6以下かつ両眼の視力の和が0.2を超えるもの |
就労不能保険と身体障害者手帳
就労不能保険の中には、身体障害者手帳と連動しているものがあります。
身体障害者手帳を発行すると、それに応じた保険金を支払う仕組みです。
そして、支払い方法はこの2種類が一般的です。
・年金や月額で支払うタイプ
・一時金として支払うタイプ
年金や月額として支払うタイプは、若いうちに身体障害者手帳を発行すると、総額で大きな金額を受け取れるというメリットがあります。
ただし、保険期間の終期近くに該当しても、もらえる総額が少なくなる特徴があります。
それと比べて一時金で支払うタイプの場合、どの年齢で障害者手帳に該当しても、もらえる金額が一定です。
ちなみに身体障害者手帳を発行している人は、日本で519万人いるそうです。
その中で身体障害者手帳の3級以上を持っている人は328万人(全体の63%)です。
また、身体障害者手帳の4級以上を持っている人は455万人(全体の88%)となります。
保険会社によって、身体障害者手帳の該当要件が3級以上だったり、4級以上だったりと異なりますので、選ぶときは該当範囲が広い保険の方がいいでしょう。
就業不能保険を取り扱っている保険会社
就業不能保険も増えてきましたが、すべての保険会社で就労不能保険を提供しているわけではありません。
これらの保険会社では、すでに就業不能保険を取り扱っています。
保険会社 | 商品名 | 対象の障害状態 |
アフラック | 給与サポート保険 | 障害年金1.2級 |
住友生命 | 1UP | 障害年金1.2級 |
三井住友海上あいおい | &LIFE | 障害年金1.2級 |
日本生命 | もしものときの生活費 | 障害年金1.2級 |
東海あんしん | 就業保障不能プラン | 障害年金1.2級 |
損保ジャパンひまわり | じぶんと家族のお守り | 障害年金1.2級 |
明治安田生命 | ベストスタイル | 障害者手帳1.2級 |
日本生命 | みらいのカタチ | 障害者手帳1.2.3級 |
富国生命 | 生活保障特約 | 障害者手帳1.2.3級 |
FWD富士 | FWD収入保障 | 障害者手帳1~4級 |
第一生命 | ジャスト (アシストワイドプラス1) | 障害者手帳1~6級 |
長期間の治療が必要な病気により、重い障害を背負ってしまうと、もう一度仕事に就くことが難しくなります。
そういったときに、障害者手帳などの公的保証制度や長期入院と連動した、就労不能保険に加入しておくと安心です。
ただし、就労不能保険は「掛け捨て」が基本となります。
障害がなかったときに満期金を支払う保険会社もありますが、基本的には保険期間を設けて掛け捨てで掛ける保険となります。
そう考えると、貯蓄型が好きな人は別の選択肢もあるかもしれません。
個人的に、就業不能保険の使い方は「少額掛」がおすすめです。
死亡保険と医療保険は必須と言ってもいい保障ですが、就業不能保険はこの2つに比べると、どうしても見劣りしてしまう内容です。
私が実際に利用している就業不能保険の保険料は【月に2000円以内】で収まるように設定しています。
これくらいなら、死亡保障と入院保障の額を調整すれば捻出できるので、参考にしてみて下さい。